中小企業やその経営者の甘えが、SEOを阻害している

  • 最終更新日 :
  • 公開日 :
  • 投稿者 : 大月 茂樹

最大で約26倍にもアクセス数がアップした施策はクライアントからの依頼で中断、その理由とは?中小企業やその経営者は、その甘えがいかにWeb活用やSEOを阻害しているかを理解すべきです。

最大で約26倍にもアクセス数がアップした施策はクライアントからの依頼で中断、その理由とは

Webサイトのアクセス数を平均2〜3倍、最大で約26倍にアップさせた施策」では、

  • ブログ投稿のうち、アクセスが稼げそうなトピック・キーワードで書かれたものを選び出し、顧客目線で濃い内容の1つの投稿へまとめる
  • そのWebサイトのテーマにそぐわない投稿は、検索エンジンのインデックスを削除する
  • それらが再度インデックスされないよう、noindexを指示する

を行ったことで最大で約26倍ものアクセス数アップを実現したSEOの施策を紹介しました。

しかし、この施策はコンテンツのリライトをわずか1回行っただけで中断。クライアント企業による施策続行の拒否がその理由です。継続すれば、さらなるアクセス数アップの効果が期待されたSEO施策にも関わらず、なぜ中断を選択したのか。

その理由は以下の2つです。

  • 「書いたところで結局書き直されるならば、書く気がなくなる」というWeb担当者の反発
  • 「SEOに悪影響と言えども、削除してしまうとうちのスタッフの元気なところや、うちの活気をユーザーに知ってもらえなくなる」という経営層の反発

ここでは、中小企業やその経営者の甘えが、いかにWeb活用やSEOを阻害しているかを理解してください。成果をあげるにはまず、その甘えを改めなければなりません。

Web担当者からの反発

まず、Web担当者からの反発について、その心情は理解できます。正直な気持ちでしょう。しかし、検索ユーザーが求めているのは、抱えている問題を解決してくれるコンテンツです。

  • 「このWebサイトは、問題を解決してくれた。」
  • 「このWebサイトは、いつも問題を解決してくれる。このWebサイトを見ていると、自分の知りたいことをいつも教えてくれる。」

そのように、検索ユーザーに意識づけられるかが最も重要であり、そうしたコンテンツこそ価値のあるコンテンツです。問題の解決に貢献できない内容の薄いコンテンツや、売り文句ばかりの宣伝臭漂うコンテンツに価値はありません。抱えている問題を解決してくれるコンテンツを探しアクセスしてきた検索ユーザーは落胆し、二度とこのWebサイトへはアクセスしないでしょう。

経営層からの反発

また、経営層からの反発も心情を理解できます。善良な経営者であれば当然の気持ちです。しかし、あまりに砕け過ぎた口調(文調)、赤い文字、青い文字、大きな文字、顔文字、アスキーアート、何行にも渡る改行が幾度も繰り返され間延びしているなど、まるで個人のアメブロのような体裁のブログ投稿。確かに元気なことは伝わるかもしれません。しかし、そのようなコンテンツであなたやあなたの会社は検索サイトからアクセスしてきたユーザーに信頼感を持ってもらえるでしょうか。

既に、実際に何度も商品を購入したりサービスを利用したことがあるリピーターであれば「あの人はいつも元気だな。」と理解してくれ、さらに愛着を持ってもらえるでしょう。しかし、初対面の人にそのように接せられたときを想像してみてください。良い印象は持てません。面と面で向き合っているときですらそうなのですから、Webでは距離を置かれてしまうのは言うまでもありません。

ユーザーは「こんな軽い、いい加減そうなところへは任せられない」と間髪おかず直帰し、二度とこのWebサイトへはアクセスしないでしょう。

アクセス数改善施策の中断

Web担当者と経営層からそうした反発を受けたため、施策は中断。日記のようなコンテンツ、まるで個人のアメブロのような体裁のコンテンツは、検索エンジンのインデックスを削除するだけでなくブログからも完全に削除する予定でしたが、コンテンツの完全削除ではなくnoindexの指示へと施策内容を切り替えました。これは、「うちのスタッフの元気なところや、うちの活気が伝わるコンテンツは残したい」という経営層からの強い要望があったためです。

それで、検索エンジンによるWebサイトの評価は向上させられますが(ある意味、騙せられますが)、ユーザーを騙すことはできません。価値のないコンテンツは全て生きています。Webサイト上で公開されたままです。ユーザーは低品質のコンテンツを目にすることに変わりないのです。

粗悪なコンテンツを検索エンジンから見えないようにし評価を上げ、検索ユーザーのアクセス数をアップさせたところで、ユーザーがそこからコンバージョンへ転ずるか?は、また別の話です。日記のようなコンテンツ、まるで個人のアメブロのような体裁のコンテンツを見てしまえば、コンバージョンへは転じないでしょう。

施策は、実に中途半端な状態で終えました。

企業や経営者は、その甘えを改めるべき

当記事をここまで読み進めたあなたはおそらく、「そのままやれば、やってもらえば良かったのに。」と思っていることでしょう。

しかし、多くの中小企業やその経営者は、「うちの商品・サービスは素晴らしい。しかし、客に見る目がない。」と考えます。あなたもそうではないでしょうか。自社の商品・サービスに自信を持っている、愛着を持っている企業や経営者ほどそうした傾向が強いですが、それは大きな勘違いです。単なる甘えです。

生活は豊かになり、生活者(消費者)の価値観は多様化しています。そして、今やありとあらゆるものがいつでも、どこでも、それなりの価格で手に入る時代です。何を購入するにしても、数多くの選択肢が用意されています。あなたやあなたの会社の商品・サービスは、その数多くの選択肢の中のひとつにしか過ぎません。

良いものであれば売れる。
良いものを作れば、作っていれば売れる。

そうした時代ではありません。

Web、そして、ソーシャルメディアの普及により、生活者は数限りないソースから簡単に情報を入手できます。そして、比較・検討・吟味し、どの商品・サービスを購入・利用するか?を最終的に決定します。そのとき、生活者は「この商品・サービスは、自分が抱えている問題を解決してくれるか?」を常に考えています。

そうした中でも特に問題解決への意欲が高いのが検索ユーザーです。問題を解決するために検索キーワードを変えながら何度も繰り返し検索し、Webサイトへ順にアクセスしています。あなたやあなたの会社のWebサイトへは、購入や利用を前提としてアクセスしているのではありません。

商品・サービスに自信と愛着を持ち過ぎている、そして、それゆえに顧客視点が足りず売り文句ばかりが並べられたコンテンツでは、検索ユーザーが抱えている問題は解決できません。上述の実例で言えば、スタッフが元気さをアピールするコンテンツなどには一切興味がなく、むしろ邪魔なのです。

そこに大きな溝があります。あなたは検索ユーザーが抱える問題をコンテンツで解決してあげるべきなのです。

もし、その商品・サービスが本当に素晴らしいものならば、あなたやあなたの会社が持つ素晴らしいノウハウに基づいて作られ提供されているもののはずです。そのノウハウをコンテンツとして発信し、生活者へ届けるべきです。

そうしたコンテンツこそ、生活者が抱えている問題を解決できるものです。生活者が抱える問題をいくつも、何度も解決してあげれば、あなたの商品やサービスの購入に至るでしょう。

SEOに不利だと言われても、コンテンツを発信したいとき

「粗悪なコンテンツ」と言うと乱暴な表現かもしれませんが、検索ユーザーにとっては全く役に立たないコンテンツですから、そう称しても外れではありません。

さて、粗悪なコンテンツの温床となりやすいのはいわゆるスタッフブログです。経営者から「毎日書け」と言われているから、あるいは、Web制作会社が「SEOにはブログが一番です」と言われたからという理由で書かれるブログは特にその傾向が強いです。

上で指摘したように、そうしたブログコンテンツは書かないのが最も適切なSEOの施策ですが、実例のように「それでも書きたい」という場合もあるでしょう。その場合、noindexの指示を与えるのも1つの方法ですが、より適切なのは以下に示す2つの方法でしょう。

外部ブログ化する

粗悪なブログコンテンツがあると、検索エンジンからそのWebサイトの評価は下げられ、ドメインのパワーも下げられてしまいます。ですから、そのブログをWebサイトから外へ出してやるのです。

無料ブログサービスを使って外部ブログ化しWebサイトと分離してしまえば、粗悪なコンテンツによるドメインパワーの下落を回避できます。

検索エンジンに内部サイトとして認識させる

そうは言っても、既に何十件、何百件ものブログコンテンツとなっている場合、それを外部ブログへ移行するのは大変なことです。移行元、移行先のいずれでも移行ツールが利用できればまだ良いのですが、そうとも限らないでしょう。

そうした場合は、検索エンジンにブログを内部サイトとして認識させるのが良いでしょう。具体的な手順は記しませんが、内部サイトとして認識させるためのポイントは以下の3つです。

  • サイトマップを、Webサイトとブログとで分けて送信(配信)する
  • ウェブマスターツールで、それぞれ別サイトとして登録する
  • 内部リンクの配置を工夫し、サイトを構造化する

この方法は、粗悪なコンテンツを排除する目的だけではなく、Webサイト内のいくつかのキーワードがあり、それらの濃度を個別に高めたいという目的にも活用できます。

Web制作会社が、良質なブログコンテンツを作成することの重要性をクライアント企業へ訴える方法

当記事を読んでいただいている方には、Web制作会社やコンサルの方も多いでしょう。

答えは至って明快です。自社サイトで有意で良質なコンテンツを発信し、検索エンジンから評価され、狙ったキーワードでのアクセス数がアップし、検索ユーザーの悩みを解決し、問い合わせや受注に至ったという結果を示すだけです。

それこそが、Web制作会社がWeb制作会社として、コンサルがコンサルとして存在する理由であり価値です。

もし、それで良質なコンテンツの発信の重要性を理解してもらえないのであれば、その企業との取引は考え直した方が良いでしょう。

まとめ

当記事は、「Webサイトのアクセス数を平均2〜3倍、最大で約26倍にアップさせた施策」の続編的な扱いですので、併せて読むと理解が深まるでしょう。

企業やその経営者は、自負や勘違いをしながらあぐらをかいて待つのではなく、顧客目線に立ち、検索ユーザーが抱える問題を解決するコンテンツの発信に勤しむべきです。それこそが、本当のSEOです。今すぐ、良質なコンテンツの発信に取り組んでください。

この記事の著者