インターネット集客チュートリアル
ホームページのリニューアルで何を実現したいのか——目的別、取り組むべきことチェックリスト
ホームページのリニューアルを検討し始めるとき、多くの方が「目的」ではなく「きっかけ」から出発してしまいます。「なんか古くなった気がする」「競合がリニューアルしたから」——こうした感覚はリニューアルのきっかけにはなっても、目的にはなり得ません。リニューアルの目的は「集客・問い合わせ増加」「採用強化」「ブランディング・信頼性向上」「EC・オンライン販売強化」「業務効率化・対応コストの削減」などさまざまに分類できます。そして、目的ごとに取り組むべきことは異なります。それぞれの目的に応じたチェックリストを用意しましたので、リニューアルに着手する前の確認に活用してください。
「古くなった気がする」は目的ではない
「古くなった気がする」はリニューアルの「きっかけ」にはなっても「目的」にはなりません。目的とは「何がどう変わっていれば成功か」を数字で語れるものでなければなりません。
ホームページのリニューアルを検討するとき、「目的」ではなく「きっかけ」から出発してしまうことが、多くの失敗の起点になっています。
「そろそろリニューアルしたいんですよね。なんか古くなった気がして」
ホームページリニューアルの相談を受けると、このような一言からはじまることが少なくありません。その感覚そのものは間違いではありません。デザインのトレンドは変わり、競合他社のホームページが新しくなれば、自社のホームページが見劣りすることもあります。そう感じるのは自然なことです。
ただ、「古くなった気がする」という感覚は、リニューアルのきっかけにはなっても、目的にはなり得ないという点を、まずハッキリさせておく必要があります。
ホームページのリニューアルには、相応の制作費と、社内の担当者が準備・確認・意思決定に費やす時間や手間が伴います。それだけのリソースを投じるのであれば、「完成したとき、何がどう変わっていれば成功と言えるか」が答えられなければなりません。
答えられない状態でリニューアルを進めると、どうなるか? 見た目は確かに新しくなります。しかし、それで終わりです。問い合わせが増えたのか? 増えていないのか? 採用応募が変わったのか? 変わっていないのか? 判断するための基準がないまま「なんか良い感じになった」で終わります。
「良い感じになった」は成功ではありません。お金と時間を使って終わった。ただそれだけです。
目的と手段の取り違え——よくある3つのパターン
「デザインを新しくしたい」「スマホ対応したい」「競合がリニューアルしたから」——これらは目的ではなく、「手段」か「動機」です。目的にたどり着くには「なぜそうしたいのか?」をもう一段掘り下げる必要があります。
リニューアルの「目的」と思われているものの多くは、実は目的ではなく、「手段」か「動機」です。
リニューアルの相談を受けるとき、「目的は何ですか?」とお尋ねすると、多くの場合次のような答えが返ってきます。
「デザインを新しくしたい」
これは「目的」ではなく、「手段」です。
なぜデザインを新しくしたいのか? もう一段掘り下げると、「今のデザインが古臭くて、信頼感がない気がする」という答えが出てくることが多いものです。さらに掘り下げると「訪問してくれた人がそのまま離脱している気がする」「問い合わせに至らない気がする」という答えが出てきます。
そこまで掘り下げて初めて、「目的は問い合わせ率の改善である」ということが見えてきます。デザインの刷新は、その「目的」を達成するための「手段」のひとつに過ぎません。
「スマートフォンに対応したい」
これも「手段」です。スマートフォン対応することで、モバイルデバイスからの訪問者の離脱を減らし、問い合わせや購入につなげたい——というのが本来の目的のはずです。「スマホ対応」そのものは、「手段」であり通過点です。
なお、スマートフォン対応は現在では必須の要件ですが、「対応しました」で満足してしまうと、本来の目的に向けた設計が抜け落ちることがあります。たとえば、目的が「スマートフォンからの問い合わせを増やす」であれば、レイアウトが崩れないことはあくまで前提であり、それだけでは足りません。
- 問い合わせボタンがすぐ目に入る位置にあるか
- 電話番号をタップして発信できるようになっているか?
- フォームがスマートフォンで入力しやすい設計になっているか?
- 流し読みが前提のスマートフォンユーザーに合わせて、要点が冒頭にまとまっているか?
「スマホで崩れない」と「スマホで成果が出る」は、別物です。
「競合他社がリニューアルしたから」
これは「動機」ではあって、「目的」ではありません。競合が新しくなったことで、比較されたときに見劣りする。だから自社も更新したい——という焦りは理解できます。ただ、「競合に追いつく」は目的として弱すぎます。競合と並んだ状態で、何を実現したいのか。そこまで考えて初めて、方向性が決まります。
「目的」は、数字で語れるものでなければならない
本物のリニューアルの「目的」とは、「数字で表現できるビジネス上の成果」です。
例を挙げてみましょう。
- 月間の問い合わせ件数を、現在の3件から10件に増やしたい
- 採用応募数を年間5件から20件に増やしたい
- ホームページ経由の売上を、現在の月100万円から300万円にしたい
- 資料請求のコンバージョン率を0.5%から2%に改善したい
これらが「目的」です。数字が出てこない場合は、まだ目的が定まっていないか、「手段」や「状態の変化」を目的だと思い込んでしまっている可能性があります。
「数字なんて出せない」と感じる方もいるかもしれません。でも考えてみてください。現在のホームページから月に何件の問い合わせが来ているか、把握していますか?
それが把握できていないなら、リニューアルしたあとに成功したかどうかも、永遠にわからないままです。そのような状態でリニューアルに踏み切るのは、ゴールのないマラソンを走るようなものです。このペースだ走りきれるのか? どこまで行けば「完走」なのか? わからないまま、ひたすら走り続けることと同じです。
目的が曖昧なリニューアルで起きること
飲食店を経営していて、売上が落ちていると仮定しましょう。そこで、店内の内装を全面リニューアルしました。雰囲気は確かに良くなりました。ところが、その後も売上は上がりませんでした。
ナゼか? 原因は内装ではなく、メニューの価格設定が競合に対して高すぎたことだったからです。
内装リニューアルは「手段」であり、本来の目的(売上回復)には寄与しませんでした。このケースの根本的な問題は「内装が古かったこと」ではなく、「価格競争力のなさ」だったのです。
ホームページのリニューアルで同じことが起きます。
「古くなった気がする」というきっかけで、目的を定めないまま見た目を新しくした。確かに見た目は変わった。でも問い合わせは増えない。なぜなら、問い合わせが少なかった本当の原因は、デザインの古さではなく、「ターゲットに刺さる言葉がなかったこと」や「問い合わせに至る動線が設計されていなかったこと」だったから——。
目的が曖昧なまま進めると、問題の本質に向き合わないまま、見た目だけが変わります。そしてリニューアルからしばらくして「なんか変わらないね」となったとき、また「そろそろリニューアルかな」というネガティブなサイクルに入っていきます。発注する側にとってはお金と時間の浪費です。
目的は一つに絞る
リニューアルで成功している案件に共通しているのは、目的が一つに絞られていることです。
「問い合わせも増やしたい、採用も強化したい、ブランドイメージも変えたい、SEOも強化したい」——こうした複数の要件を同時に盛り込もうとすると、「ホームページリニューアル」のプロジェクトはコントロールしにくくなり、ひとつひとつの難度が上がり、すべてが中途半端に終わります。
まず何を最優先にするか。リニューアルに着手する前に、この問いに一つだけ答えてください。
目的が一つ定まれば、何をどう作るかが決まります。作る側も、作られる側も、判断の基準ができます。「これはその目的に貢献するか?」という問いで、仕様の取捨選択ができるようになります。
複数の目的がある場合は、優先順位をつけて段階的に取り組むか、用途ごとにページやホームページを分けることを検討してください。
目的によって、取り組むべきことが根本的に変わる
リニューアルの目的は「集客・問い合わせ増加」「採用強化」「ブランディング」「EC強化」「業務効率化」に大別でき、目的ごとに取り組むべきことは根本的に異なります。
リニューアルの目的が違えば、作るべきホームページの中身は根本的に変わります。以下に5つの目的別チェックリストを示します。自社の目的に該当するものを確認の出発点として使ってください。
目的が「問い合わせ・集客の増加」なら
訪問者が問い合わせに至るまでの動線を設計することが最優先です。表面的なデザインの美しさより、「迷わず進める構造」の方が重要になります。
- 来て欲しいターゲットを一人に絞って定義できているか?
- そのターゲットが抱える悩みや欲求を言語化できているか?
- トップページを見た人が次に何をすべきか明確か?
- 問い合わせフォームまでの動線が整理されているか?
- CTAが適切な位置に配置されているか?
- 料金・流れ・FAQなど、問い合わせ前の不安を取り除く情報が揃っているか?
目的が「採用強化」なら
求職者が「ここで働きたい」と思うための情報設計が必要です。求人票のような情報羅列ではなく、「人」と「文化」の見せ方が鍵になります。
- 「どんな人たちと働くのか」をイメージできる情報があるか?
- 社員の声(リアルな体験談)が掲載されているか?
- 代表・経営陣のビジョンや考え方が伝わるコンテンツがあるか?
- 入社後のキャリアパスや成長イメージが伝わるか?
- 募集要項に求職者が比較検討に必要な情報が網羅されているか?
採用サイト(リクルートサイト)制作・リニューアルのサービス内容へ
目的が「ブランディング・信頼性向上」なら
「それっぽく見える」デザインではなく、「この会社に頼めば安心だ」と思わせるための証拠の積み重ねが設計の軸になります。
- 実績・事例が具体的に掲載されているか?(業種・課題・成果)
- 第三者の評価(お客さまの声・受賞歴・メディア掲載等)があるか?
- 代表・担当者の顔と経歴が見えるか?
- 情報の更新頻度・鮮度は保たれているか?
- 提供サービスの専門性・品質を示すコンテンツがあるか?
目的が「EC・オンライン販売の強化」なら
ゴールは「問い合わせ」ではなく「決済完了」です。商品ページ、カート、決済フロー、購入前の不安除去が中心課題になります。
- 商品ページで「なぜこれを買うべきか」が伝わるか?
- カートから決済完了までの動線に不安要素(送料・納期・返品・支払方法)の説明があるか?
- スマートフォンで購入しやすい設計になっているか?
- 初めての訪問者が「この店は信頼できる」と判断できる情報が揃っているか?
- リピート購入を促す仕組み(会員登録・メルマガ等)が設計されているか?
ECサイト・ネットショップ制作・リニューアルのサービス内容へ
目的が「業務効率化・対応コストの削減」なら
「外に向けた訴求」ではなく「自社の業務を楽にする」目的です。問い合わせ対応の削減、更新作業の効率化など、リニューアルによってコストを下げることが目標です。
- よくある問い合わせ内容をFAQやコンテンツで先回りして答えられているか?
- 担当者が自分で更新できる仕組みが整備されているか?
- 申し込み・資料請求のフォームで手作業が発生していないか
- 問い合わせ電話・メールの件数と主な内容を把握しているか?
- 更新作業のルールとフローが決まっているか?
目的を明確にするための問い
リニューアルを検討しているなら、着手前に次の問いに答えてみてください。
「リニューアルが完了して半年後、何が変わっていれば成功と言えるか?」
この問いに、具体的な数字を含む答えが出てくれば、目的は定まっています。「なんとなく良い感じになっていれば」という答えしか出てこないなら、目的の整理から始める必要があります。
あわせて確認しておきたいのは、現在のホームページの数字です。
- 月間の訪問者数(セッション数)はどのくらいか
- そのうち問い合わせに至っている割合(コンバージョン率)はどのくらいか
- 問い合わせのうち、商談・成約に至っている割合はどのくらいか
現状の数字がわからないと、リニューアル後に何が改善されたかも、何が足りないかも判断できません。Googleアナリティクスが導入されていれば、大半の数字はそこから確認できます。導入していないなら、リニューアルのタイミングで必ず設定してください。数字なしに改善はできません。
もうひとつ、見落とされがちな問いがあります。
「今、成果が出ていない本当の原因は何か?」
リニューアルは万能薬ではありません。成果が出ていない原因がホームページ以外にある場合——そもそも認知されていない、商品・サービス自体の競争力が弱い、営業プロセスに課題がある——リニューアルをいくら繰り返しても問題は解決しません。リニューアルを検討する前に、この問いに正直に向き合うことが、最初の一歩です。
まとめ
ホームページのリニューアルに見合う成果を得るためには、「何のためにリニューアルするのか?」を最初に明確にすることが不可欠です。
「デザインを新しくしたい」「スマホ対応したい」「競合が変えたから」——これらはリニューアルの「きっかけ」や「手段」にはなっても、「目的」にはなりません。目的は、数字で表現できる、ビジネス上の成果です。そしてその目的は、一つに絞ってください。
目的が明確になって初めて、何をどう作るべきかが決まります。目的が定まっていないリニューアルは、見た目が新しくなるだけで、ビジネス上の課題はそのまま残る可能性が高い。
リニューアルを検討しているなら、まず「完成したとき、何がどう変わっていれば成功か?」という問いから始めてください。
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