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ホームページのアクセス数アップ、平均2〜3倍。最大で約26倍にした施策【2013年】

アクセス数アップのためにがんばるブログがホームページ全体の品質を落とし、検索エンジンからの評価を下げてしまって、アクセス数減の原因となっていることがあります。ここでは、改善施策を実施した結果、1日あたりの平均アクセス数を2〜3倍、最大で約26倍にアップした成功例を紹介します。

【2024年8月17日 追記】
当記事は2013年に作成したものです。既に10年以上が経過し、現在の事情とは相違もあります。それらをご理解いただいた上で読み進めてください。
ただし、本質的な考え方は現在でも通ずるものですので、参考にはしていただけるハズです。

アクセス数アップのためのブログが、アクセス数を下げている

ホームページのアクセス数アップのためには、ホームページへ良質なコンテンツを追加し続けることが最も大切であることは言うまでもありません。そこで、ホームページの運営コスト(特にホームページ制作会社への外注費)の削減や情報提供の即時性追求を目的として、昨今ではCMS(Contents Management System - コンテンツマネージメントシステム)が導入されることが一般的です。CMSを導入すれば、社内で自由にホームページを更新できるようになります。

しかし、その弊害が生じることがあります。残念なことに、良質なコンテンツではなく訪問者の訪問意図を無視した宣伝ばかりのコンテンツや日記のようなコンテンツなど、自己中心的なコンテンツ = 低質なコンテンツが追加し続けられているホームページを散見します。特に「スタッフブログ」が低質なコンテンツの温床となる傾向は強いようです。

結果、ホームページを訪問してもらえたにも関わらず見込客へは悪い印象を与え、直帰率は上がるばかり。コンバージョン率は落ちるばかり。検索エンジンからの評価は下がるばかり、といったように、がんばればがんばるほどに落ちていく、負のスパイラルへとはまっていくホームページになるのです。

ここでは、「アクセス数が減ってしまった。少ない。アクセス数を上げたいからSEOして欲しい」というご依頼をいただいて改善施策を実施した結果、1日あたりの平均アクセス数を2〜3倍、最大で約26倍にアップした成功例を紹介します。

1日あたりの平均アクセス数を2〜3倍、最大で約26倍にアップした施策

例えば、当ホームページであれば「ホームページ制作」は集客のための重要なキーワードです。「ホームページ制作」について書かれたブログ投稿のうち、似たような内容の投稿がいくつかあれば、それらを1つのストーリーとなるようにリライトして1つにまとめます

施策の内容は、至って簡単です。

多数あるブログ投稿の中から同一トピックで書かれた投稿を2つ、3つと選び出し、見込客目線に立ってそれらの内容を当方でリライト(書き直し)して1つの良質で内容の濃い投稿へとまとめることを繰り返しただけです。
ブログ投稿を「ニコイチ」、「サンコイチ」したということです。

さらに、ブログ投稿のうち、ただ毎日ブログを書いているという体裁を繕うためだけに書かれた投稿や、そのホームページのテーマにはまったくそぐわない(キーワードが異なる、見込客の興味・関心を喚起しない、もっと言えば、日記のような)内容の投稿についてはGoogleウェブマスターツール(現 Googleサーチコンソール)を使ってインデックスを削除(リクエスト送信)。もちろん、その投稿が二度とインデックスされないように、投稿一つひとつにnoindexの指示を加えました。

アクセス数アップのための改善施策の内容は、これだけです。

これだけで、施策を実施した約1ヶ月後には、施策実施前と比較してホームページ全体の1日あたりの平均アクセス数が2〜3倍へアップしました。また、「ニコイチ」「サンコイチ」した投稿へはアクセスが集中する日が定期的に発生するようになり、中には施策実施前の平均アクセス数の約26倍ものアクセス数を記録する日もありました。

なお、約26倍ものアクセス数を獲得した日は、TV-CMが流れた日です。クライアントさんは、とある有名FCに加盟されており、本部が全国でTV-CMを流すとそのサービスについての検索が激増します。当方にてリライトしたブログ投稿が上位ヒットし、その検索の受け皿となり、ホームページの訪問者数が激増したというカラクリです。

ここで一度、まとめてみます。

  1. ブログ投稿のうち、アクセス数が稼げそうなトピック・キーワードで書かれたものを選び出し、見込客目線で濃い内容の1つの投稿へまとめる
  2. そのホームページのテーマにそぐわない投稿は、検索エンジンのインデックスを削除する
  3. それらの投稿が再度インデックスされないよう、noindexを指示する
施策を実施した2013年2月中旬以降、アクセス数に明らかな変化が見られます

これは、Googleアナリティクス(旧 ユニバーサルアナリティクス)でそのホームページの「ユーザーサマリー」を表示させた様子です。ホームページ公開(2012年2月)から現在(2013年7月)までの約1年5ヶ月を期間指定しています。

期間指定が長いため少々見づらいですが、2013年2月中旬に施策を実施してから明らかにアクセス数がアップしていることを確認できるハズです。いくつか山がありますが、最も高く尖っている山が、約26倍のアクセス数を記録した日の山です。

小難しいテクニックなど、一切使っていません。がんばってブログを書いているのに、ホームページ公開時と比較するとアクセス数がどんどん減って来ている...とお悩みで、かつ、その原因として上述したような原因に心当たりがあれば、誰にでもできるこの施策を実践してみる価値はあるでしょう。

以下、当該改善施策の実施に際して、事前に調査したことや検討したことなどもお話しておきます。

ホームページ公開直後のアクセスの多くは、内部アクセスと推測

ホームページを公開した2012年2月〜5月下旬まではアクセスがあり、ゆるやかな傾斜の山になっていますが...

なぜ、アクセス数が少なくなったのか? 少なくなったと感じたのか?

ホームページを公開した2012年2月から、4ヶ月後の5月下旬ころまでは、その後と比較してアクセス数が多いように見えますが、これは内部アクセスと推測しました。と言うのも、ダイレクトアクセスが多くを占めていたからです。

ホームページを新規制作し公開した後、リニューアルして公開した後は、自社のホームページであるにも関わらず(だからこそ?)気になってしまい、1日に何度もアクセスしてしまいます。ブラウザーのお気に入り(ブックマーク)に登録しておいて、そこから何度もアクセスします。しばらくすると、気分的にも落ち着き、ホームページを更新するとき(ブログを書くとき)くらいしかアクセスしないようになります。

それが原因のアクセス数の増減が、結果としてホームページ公開後の山として現れたのです。

もちろん、ホームページ制作を行った当方も、「何か問題が生じてはいないか?」「うまくブログ投稿してくださっているだろうか?」とホームページの様子は気になりますので、確認目的で何度もホームページへアクセスしますが、当方からのアクセスはカウントされないようにブラウザへ設定していますから、このアクセス数の山へ当方のアクセスは含まれません。

設定手順書を作成し、クライアントさんへも内部アクセスがカウントされないようにそのブラウザ設定を行っていただける事前にお願いはしていました。が、おそらく、実際に設定くださったのはホームページ担当の方のみでしょう。

それを踏まえると、アクセスの山が収まった2012年6月以降のアクセス数が本来のアクセス数であると、そのように見なすのが妥当でしょう。ホームページを公開した直後、「アクセスが増えた!」と思ったとしても、それは実は内部アクセスがほとんどだった...そんな皮肉な現実は多くあるように思います。

アクセス数が減ったのは、Googleのアルゴリズム更新によるものか?

UKのBarracuda社が提供している"Panguin Tool"というツールで、Googleのアルゴリズム更新がアクセス数に影響を与えているかを確認している様子。先の図と同じくホームページを公開した2012年2月〜6月下旬までを期間指定しています

アクセス数が顕著に減少、特に検索エンジンからの自然検索流入が大きく減少した際には、検索エンジンからペナルティを与えられてしまったのでは? と真っ先に思いつくところです。

しかし、上図からわかるようにGoogleのアルゴリズム更新(有名なPandaアップデート、Penguinアップデート、さらにはその他のアルゴリズム更新)の影響を受けてアクセス数が減少したのではないことは確認できます。

こちらは、ホームページを公開した2012年2月〜現在(2013年7月)までの約1年5ヶ月を期間指定しています

また、期間を拡げてホームページを公開した2012年2月〜現在(2013年7月)までの約1年5ヶ月の期間で確認しても、Googleのアルゴリズム更新の影響を受けた判断できる要素は見つかりませんでした。

ゆえに、検索エンジンのアルゴリズム更新の影響を受けたためにアクセス数が減少したのではない、と判断しました。

ホームページの品質が落ちたから、アクセス数が減少した

「アクセス数が減ってしまった。少ない。アクセス数を上げたいからSEOして欲しい」というご依頼で、まず調査から始めた次第ですが、

  • ホームページ公開直後にダイレクトアクセスが多かったこと
  • “Panguin”ツールが示すようにGoogleのアルゴリズム更新の影響を受けたわけではなかったこと

から、「少ない」とされたアクセス数こそが本来このホームページが潜在的に持っていたアクセス数だったと言えるでしょう。

このホームページは当方にて制作し、CMSを導入しました。クライアント企業もホームページの活用にとても積極的であることが見てとれましたし、外部の無料ブログサービスではあるものの店舗ごとにブログを作って頻繁に更新もされている。そうしたことから、このホームページのブログは充実したものとなり、検索エンジンに評価され、次第にアクセス数は増えていくだろうと楽観視していました。

実際、ホームページの公開から施策を実施するまでの約1年5ヶ月の間のブログ投稿数は約400件にのぼりました。かなりの数字です。しかし、その投稿の多くは、

  • 上司からの指示で、とにかく毎日書かなければ...という義務意識に駆られて書いている
  • 通常業務が終わってから、「早く帰りたい」という気持ちのときに書いている
  • そうした意識や気持ちで書いているため、支離滅裂で、突然宣伝に展開し、それで終わってしまっている
  • 従って、文章量もなく、内容が薄い。とにかく、書くことと宣伝しか念頭にないので、検索エンジン経由で訪問してきた見込客の訪問意図など無視されている

のようなもので、「昨日は、どこそこへ遊びに行ってきました。」という内容のブログ投稿も数多くありました。

それでは、いくらがんばってブログを書いても、それが検索エンジンに評価されてアクセス数アップの源泉となる...ということは、まずありえません。ホームページの訪問者 = 見込客が望む内容でもありません。

本来、このホームページへ追加すべきではないコンテンツが増えたことで、狙っているテーマやキーワードでのホームページの品質(評価)が下がり、アクセス数は時が経つにつれ減少していったということです。

「たまには息抜き程度に軽いコンテンツを加えても良いかもしれませんが、キチンと内容ある、検索ユーザーを意識したブログ投稿を心がけてください。」と(当然)ホームページ公開時にお伝えはしておきましたが、残念なコトになってしまったのです。

当方が最初にもっと強くお伝えしておけば...、また、もっと早いタイミングで止めておけば...とも当然考えられるわけで、少々悔やまれるところではあります。

まとめ

  • ホームページのアクセス数アップにブログは有効な方法であるが、無理に書くとホームページの品質を下げてしまうこともあるので要注意
  • 内容が薄いと感じられるコンテンツがあるならば、同一トピックのコンテンツをリライトして1つのコンテンツへまとめれば濃いコンテンツとなり、アクセスを稼ぐコンテンツになることがある

今回紹介したアクセス数アップの施策は誰にでもできることです。アクセス数の減少にお悩みで、もし原因となることの心当たりがあれば、ぜひ実践してみてください。

自社でやれば、無料でできますので。