インターネット集客チュートリアル
ホームページ制作会社の探し方・選び方——自社に合った制作会社を見つけるための実践ガイド
ホームページ制作会社に依頼して期待通りの成果が得られなかった経験はありませんか? あるいは、これから制作会社を探そうとして、どこに頼めば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。別の記事で、ホームページ制作で期待通りにならない構造的な原因を解説しました。本記事では、その構造を踏まえた上で、自社に合った制作会社をどう探し、どう選ぶべきかを実践的に解説します。
制作会社を探す前に決めておくべきこと
制作会社を探しはじめる前に、まず「ホームページで何を実現したいのか?」という目的と目標を明確にしておくことが重要です。目的が曖昧なまま制作会社を探しても、自社に合った会社を見極めることはできません。
目的と目標を明確にする
制作会社を探す前に、最低限決めておくべきことがあります。それは、「ホームページで何を実現したいのか?」という目的と、「それをどのような数字で測るのか?」という目標です。
「問い合わせを増やしたい」「採用を強化したい」「ブランドイメージを刷新したい」といった漠然とした希望ではなく、「月間の問い合わせを現状の○件から○件にしたい」「採用ページからの応募を月○件にしたい」のように、できるだけ具体的な目標に落とし込んでください。
目的と目標が明確であれば、制作会社に伝えるべきことも明確になりますし、制作会社の反応を見て実力を判断する材料にもなります。目的・目標の設定方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
自社でやるべきこと・依頼すべきことを切り分ける
ホームページに関わるすべてを制作会社に丸投げしようとしていませんか?
自社の商品やサービスの強み、顧客が求めていること、競合との違い。これらは、自社でなければ整理できません。制作会社はあくまでも「それをホームページという形にする」専門家です。何を伝えるか? は本質的には発注者自身が考えるべきことであり、制作会社に考えてもらうことではありません。
逆に、デザインやコーディング、サーバーの構築など、技術的な部分は制作会社の専門領域です。自社でやるべきことと依頼すべきことを切り分けておくことで、制作会社との役割分担が明確になり、制作会社選びの基準もはっきりします。
制作会社を探す3つの方法
制作会社を探す方法は大きく3つあります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、結論から言えば「口コミ・紹介」が最も信頼できる方法です。
1. インターネットで検索・調査する
「ホームページ制作 岡山」「ウェブ制作会社 おすすめ」などの検索エンジンでの検索や、業界団体のディレクトリ、制作会社のポートフォリオサイト、デザインギャラリーなどから探す方法です。すぐに多くの候補が見つかり、比較検討もしやすいのがメリットです。目的が明確であれば(たとえば「ECサイトに強い会社」「医療業界の実績がある会社」など)、目的に合った制作会社を見つけやすくもなります。
ただし、検索結果の上位に表示されている=実力がある、とは限りません。検索上位に表示するためにSEOや広告に投資しているだけかもしれませんし、「おすすめ○選」のような比較記事は、掲載料を支払って載せてもらっているケースも少なくありません。また、こうした場所に情報を掲載していない優秀な制作会社も多いため、インターネットの情報だけを頼りに選ぶのはリスクがあります。
2. 勉強会・交流会で出会う
ウェブマーケティングの勉強会やビジネス交流会に参加して、制作会社の担当者と直接会って話す方法です。ホームページや実績だけではわからない、人となりや考え方を直接確認できるメリットがあります。
ただし、こうした場に参加している制作会社の中には、営業目的で来ているだけの会社も少なくありません。名刺交換の数を目的にしている人と、本当に知見を共有しようとしている人を見極める必要があります。
3. 知人に紹介してもらう
信頼できる知人や取引先から、実際に依頼したことのある制作会社を紹介してもらう方法です。いわゆる口コミ・紹介による探し方であり、紹介元が実際に成果を得ている場合、最も信頼性の高い方法です。次のセクションで詳しく解説します。
「口コミ・紹介」が最も信頼できる理由
優秀な制作会社ほど検索結果には出てきません。リピートと紹介だけで仕事が回るため、新規集客に投資する必要がないからです。だからこそ、信頼できる知人からの紹介が最も確実な探し方になります。
優秀な制作会社ほど、検索では見つけにくい
これは、制作会社を探すときに知っておくべき重要な業界の構造です。
本当に成果を出せる制作会社は、既存クライアントからのリピート発注と紹介だけで仕事が回っています。新規の顧客を獲得するためにSEOに投資したり、広告を出したり、掲載料を払って比較サイトに載せてもらったりする必要がありません。つまり、検索しても出てこないのです。
逆に言えば、検索結果の上位に積極的に出ようとしている制作会社は、新規顧客を常に必要としている、つまり既存クライアントからのリピートや紹介だけでは仕事が回らない状態にある可能性があります。
もちろん、事業を拡大するために意図的に新規獲得に力を入れている場合もありますし、検索上位の会社がすべてダメということではありません。「検索で見つかる = 優秀」とは限らない、それ前提で探すことは危険ということです。
新規を欲しがる理由を考える
制作会社が新規顧客の獲得に躍起になっている場合、その理由は大きく2つです。
1つ目は、事業拡大のため。人を増やしたので仕事を増やさなければならない。これは前向きな理由ですが、拡大期の制作会社は案件が増えすぎて品質が落ちるリスクもあります。
2つ目は、リピートされないため。過去のクライアントが離れている、あるいは追加発注がない。これは「ホームページ制作で期待通りにならず失敗する本当の理由」の記事で解説した「成果を出せない制作会社」の特徴そのものです。成果が出ていればクライアントは離れません。
誰に聞くかが重要
口コミ・紹介で探す場合、誰に聞くかが決定的に重要です。
ウェブを活用して実際に集客に成功している経営者に聞いてください。経営者であれば、同じ経営者の知人がいるはずです。その中で「ホームページから問い合わせが来ている」「ウェブ経由の売上が伸びている」という人に、どこの制作会社に依頼しているかを尋ねるのが最も確実です。
聞くべきことは3つです。
- どこの制作会社に依頼したか?
- 対応や費用はどうであるか?
- 成果は出ているか?
「成果が出た」の中身を確認する
ただし、「成果が出た」という回答をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
大切なのは、その成果の中身です。以前はどういう状態だったのか? 制作会社に依頼して何がどう変わったのか? を具体的に確認してください。
たとえば、以前はホームページすら持っていなかった、あるいは持っていても何年も放置していた状態から、制作会社に依頼してようやくまともなホームページができたという場合、「成果が出た」と感じるのは当然です。最低限のことを整えれば、何もやっていなかった状態からは改善するからです。
それは制作会社の実力による成果ではなく、マイナスの状態がようやくゼロになっただけかもしれません。本当に確認すべきは、すでに一定の水準にあるホームページを、さらに改善して成果を伸ばした実績があるかどうかです。
広告代理店経由で探す場合の注意点
広告代理店から制作会社を紹介されるケースもあります。広告代理店は複数の制作会社とのネットワークを持っており、案件に応じて適切な会社を紹介してくれることがあります。
ただし、この場合は中間マージンが発生します。広告代理店が間に入ることで、同じ品質の制作物でも費用が高くなる可能性があります。
また、商流(取引の流れ)にも注意が必要です。広告代理店や印刷会社から紹介された制作会社と良い関係が築けたとしても、紹介元を飛ばして直接取引に切り替えるのは商慣習上のマナー違反にあたります。紹介元との信頼関係を損ねるだけでなく、制作会社側にとっても紹介元との関係がある以上、応じにくい立場にあります。広告代理店経由で依頼する場合は、その商流が今後も続くことを前提に判断してください。
コンペで制作会社を選ばない
コンペ(競合プレゼンテーション)は一見合理的な選び方に思えますが、優秀な制作会社はコンペに参加しません。また、ビジネスを理解していない状態での提案には限界があります。
優秀な制作会社はコンペに参加しない
前述の通り、本当に実力のある制作会社は、リピートと紹介だけで仕事が回っています。わざわざ受注できるかどうかわからないコンペに時間と労力を割く必要がありません。
また、優秀な制作会社にとって、コンペに割く時間は既存クライアントへの価値提供に充てた方が合理的です。コンペに参加する制作会社は、仕事が足りていない会社である可能性があります。
ビジネスを理解しない提案は「提案のための提案」に過ぎない
コンペでは、限られた時間と情報の中で提案を求められます。しかし、発注者のビジネスモデル、顧客像、競合環境、課題の本質を理解しないまま作られた提案は、どれだけ見栄えが良くても「提案のための提案」に過ぎません。
本当に成果につながるホームページを作るには、発注者のビジネスを深く理解する必要があります。それには時間がかかります。コンペという形式は、その時間を省略することを前提としている点で、本質的に矛盾しているのです。
それでもコンペをやるなら、コンペ料を支払うべき
どうしてもコンペ形式で制作会社を選びたい場合は、参加する制作会社にコンペ料を支払うことを検討してください。
なぜなら、提案には工数がかかるからです。つまり、「人が動く」からです。ヒアリング、調査、企画立案、デザインラフの作成。これらはすべて、制作会社の時間とスキルを使った仕事です。それを「タダで出してください」と求めるのは、発注者としての姿勢が問われます。
コンペ料を支払うと言えば、それだけで優秀な制作会社が参加してくれる可能性が高まります。また、発注者側も「お金を払って提案を受ける」ことで、提案を真剣に評価する姿勢が生まれます。
小さな依頼で試し、見極める
リニューアルは最終手段です。まずは問題箇所の部分改善を依頼し、小さな成果を確認してから全体に展開する方が、リスクが低く、制作会社の実力も見極められます。
まず部分改善から始める
「ホームページがうまくいっていない」と感じたとき、真っ先にリニューアルを考える方は多いものです。しかし、リニューアルは費用も時間もかかる大きなプロジェクトです。そして、リニューアルしたからといって成果が出るとは限りません。
まずは、現在のホームページの中で特に問題のある箇所を特定し、そこだけを改善することから始めてみてください。たとえば、問い合わせフォームの導線を見直す、トップページのメッセージを改善する、特定のランディングページを新設する、といった施策です。
部分改善には、リニューアルほどの費用はかかりません。そして、部分改善で成果が出れば、それを全体に展開する、つまりリニューアルの根拠になります。逆に、部分改善で成果が出なければ、その制作会社にリニューアルを任せるべきかどうかの判断材料にもなります。
小さな仕事で制作会社の実力を見極める
部分改善を依頼することには、もう一つの大きなメリットがあります。制作会社の実力と相性を、小さなリスクで確認できることです。
コミュニケーションはスムーズか? 納期は守れるか? 提案の質はどうか? ビジネスへの理解度はどうか? これらは、実際に仕事を依頼してみなければわかりません。小さな仕事で信頼関係を築いてから、大きなプロジェクトを任せる。これが、最もリスクの低い制作会社の選び方です。
予算を伝えて反応を見る
制作会社に相談するとき、予算を伝えることをためらう方は少なくありません。「予算を言ったら、その上限まで使われてしまうのではないか」という不安があるのかもしれません。
しかし、考えてみてください。捻出できる予算には必ず上限があります。それを隠したまま提案を受けても、予算と提案にズレがあれば、話がまとまるわけがありません。お互いの時間が無駄になります。
予算を伝えれば、制作会社は「その範囲で何ができるか」を提案してくれます。予算内でできることとできないことを正直に切り分けてくれる制作会社は、むしろ信頼に値します。
また、制作会社の側から予算を尋ねてくることもあります。これは不躾なことではなく、現実的な提案をするために必要な情報を確認しているだけです。予算を聞かずに「何でもできます」と言う会社の方が、よほど不安です。
まとめ: 自社に合った制作会社を選ぶために
ここまで、制作会社の探し方と選び方のポイントを解説しました。
最後に、改めて重要なことをまとめます。
- 探す前に、目的・目標を明確にし、自社でやるべきことと依頼すべきことを切り分ける
- 口コミ・紹介が最も信頼できる。ウェブ集客で成功している経営者に聞く
- 「成果が出た」という評判は、その中身、つまり以前の状態と変化の内容まで確認する
- コンペではなく、小さな仕事から始めて制作会社の実力を見極める
- 予算は隠さず伝える。誠実な制作会社はその範囲でできることを提案してくれる
制作会社選びに失敗する原因の多くは、業界の構造的な問題にあります。その構造については、「ホームページ制作で期待通りにならず失敗する本当の理由」をぜひ併せてお読みください。
当事務所ではホームページの制作・リニューアルに関するご相談を承っています。制作会社選びでお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。